お正月休みも過ぎ、少しずつ日常が戻ってきた毎日。仕事に家事にとやらなくてはいけないことがたくさんあるのに、どうもやる気が出ない。突然だるさや不安感に襲われる。もしかしたら、休み疲れしたかな?と感じてはいませんか。
年間を通じてカウンセリングの依頼が増える時期は何度かありますが、秋から冬にかけてだんだん寒くなり、気温が一気に下がるこの時期も多くなる傾向があります。
その理由は、個人の問題や気の持ち方だけが原因なのではなく、季節要因ともいえる「冷えウツ」と呼ばれる症状が関係しているからかもしれません。
女性は男性に比べ、筋肉量が少ないため体内で熱を生み出しづらく、冷え性になりやすい傾向があります。
冷え性による血行不良が自律神経のバランスを崩したり、適切なホルモン生成を阻害してしまうために、精神的な不調を感じやすくなるのではないかと思われます。
また冬は日照時間が減ることで、気持ちを安定させる幸せホルモンの一つであるメラトニンが生成されづらくなり、その影響で精神的に落ち込む「冬季型うつ病」が発生しやすくなるのですが、日照時間の短さも体を冷やしてしまう要素の一つになりますね。
「自分も最近そんな気がする…」と思い当たる方は、陽の光を一日10分以上浴びたり、太い血管が通っている「首(特に首の後ろ)、手首、足首」を温めたり、ぬるめのお湯でゆっくり入浴したりなどを毎日意識的に行うことで、精神面も徐々に改善していくケースが多いです。さらに、冷えを感じると無意識に体が縮こまり、猫背になってよけい血流が悪くなってしまいますので、仕事や家事の合間にちょこちょこと体を伸ばすストレッチを行いましょう。
精神的な面では「何かに包まれる」ことで効果が上がります。猫が小さな箱に入り込んだり、犬が背中をぴったりとソファなどにくっつけて寝ているのをご覧になったことがありませんか。
新生児も「おくるみ」と呼ばれる布で体を包みますが、自分の周りを包みこまれると安心感が生まれます。敵から身を守らなくてはいけない動物の習性なのかもしれませんね。それを応用して、肌触りの良い物で体を覆うのもいいでしょう。たとえばブランケットや、最近では「着る毛布」という商品も発売されています。
今年の冬はコロナの影響もあり、ますます家で過ごす時間が増えます。そのためか、長い冬を家の中で快適に楽しむ術を身に着けている、北欧の人々の暮らし方について書かれている書籍が売れているそうです。
彼らの暮らしの源泉ともいえる“ヒュッゲ”や“ラーゴム”という、個人の生活を大切にする快適な過ごし方という観念が、何か参考になることがあるかもしれません。たとえば「LAGOM」(ニキ・ブラントマーク著 東洋館出版社)などは美しい写真も多く、眺めるだけでも楽しい本です。
それぞれの「快適なもの」「好きなもの」を探し、楽しく暖かい家時間を過ごすことで冷えウツを寄せ付けないようにしましょう。