間違っていない私(後編):心理カウンセラー佐藤栄子の【ささる言葉】8

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悩むビジネスウーマン ©PIXTAライフスタイル
※この記事は約 2 分で読めます。

前回、「私は間違っていない」の思い込みについてお話しました。今回はその続きです。

特に40代50代の女性において、「私は間違っていないのに周りに理解されない」という思いこみに陥りやすいタイプには、

・親から可愛がられて育った人
・親や先生の言うことをよく聞く素直な人
・少々自分が犠牲になっても、他人に尽くすことを美徳と教えられた人
・勉強やコミュニケーションにおいて、持って生まれた能力が高い人
・努力ができる才能を持った人

という傾向があります。

もちろん、自己中心的な考えの持ち主でそうなっているケースもありますが、多くは上記のような、人として好ましい資質を持っているのです。おそらく「女性は清く正しく美しくあれ」「女は家庭をしっかり守るもの」などと、私たちの親世代から伝えられたマインドに則って、仕事や家庭においても一途に王道をひた走ってきて、多くの成功体験を積んできたのだと思います。

しかしその一生懸命さや能力の高さのために、皆がその正しさを全うできる状況にないことに対する想像力が欠け、「○○すべきでしょ」と相手を追い詰めてしまっているのかもしれません。

思い込みに対応するために

もし自分が周囲に対してこのような思いを持ったり、そのような人が周囲にいる場合は、次のようなポイントをチェックしましょう。

考える女性 ©photoAC

1.認めてほしい、褒めてほしい

例えばサボっているのに自分より先に昇進した同僚がいて納得できなかったり、夫があまり自分の話を聞いてくれなくて寂しい気持ちが隠れていたりすると、正しさを必要以上に主張してしまうことがあります。

2.我慢していると感じている

他人は自分を映し出す鏡です。例えば「子供がいるからと周りに仕事を押し付けて早く帰るなんてズルい!」と感じた時、自分も本当は早く帰りたいという思いを押し殺していたりします。

3.他人に対する関心、思いやりが持てなくなっている

例えば更年期の症状や過労で体力的に辛くなっているとき、周りの状況を慮る余裕を持つのは大変です。または自分の快適な環境をすでに築き上げていて、それを乱すものを許せなくなっていたりするときも正しさを盾にしてしまいます。

このように「私は間違っていない」という思いこみの裏には何らかの哀しさや抑圧、または逃避したいという感情が隠れていることもあるので、その思いを汲みつつ、本当はどうしたいのか、どうあってほしいのかに目を向けてみるのがおすすめです。田辺聖子さんはエッセイの中で、このように書いています。

私たち女性は、自分が正しいわ、という緊張のあいまにふと手をぬいて、(だけどもしや相手のいうことにも……かもね?)という、弛緩した心持をもたないといけないかもしれない

田辺聖子著『女が愛に生きるとき』より

これからより素敵に年齢を重ねていくためにも、心に少し緩さを持って思い込みを一つずつ昇華させていき、身軽で柔軟になっていきたいと私自身も思っております。

 

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この記事を書いた人
佐藤 栄子

心理カウンセラー。大手不動産会社で約20年、主に役員秘書として勤務。衛生管理者の資格取得後、心理学を学ぶ。子育てと介護のため退職。以後、オンラインメディアを中心に心理カウンセラーとして活動中。秘書検定1級・国際秘書検定タイトルホルダー・衛生管理者(Ⅱ種)※個人サイトがないので、お問い合わせはエイルナビまで。

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