知り合いの医師より「最近は○○症候群といった病名がどんどん増えていて、患者さんがそれをネットで調べて、自分はこれに該当するのではないかと聞いてくる人が増えている」という話を聞きました。
人間の身体は機械ではないから、明確な病気ではなくてもストレスなどから何がしかの不調をおこすことはあるとのこと。特に閉経期を迎えている私達の世代なら、誰しも経験しそうです。
医師いわく、そのような場合は改善策として生活リズムを整えたりストレスのモトを解消することをすすめるのですが、患者さんによっては「自分は○○という病気なのだ」と言われたほうが安心するようで、しかもその結果、症状が緩和されることもあるそうです。 健康状態に限らず、自分自身のことは自分でわかるようでわからないものです。
「あなたは〇〇だからこうなのです」と第三者からカテゴライズ(分類)されると、自分の抱えているモヤモヤの輪郭がはっきりしてくるような、納得感や安心感が持てることはあると思います。だから自分を知る手段として占いや心理テストも人気があるのでしょうね。
「自分は△△だから、○○なのだ」というカテゴライズは、現状の自分を分析する一助になりますがその反面、「○○できないのは自分が××のカテゴリーにいるからだ」と、本来の自分の問題から目をそらしたり、自ら考えることを放棄する言い訳になることがあるかもしれません。
たとえば、本当はやってみたい仕事があったとしても、チャレンジして失敗して傷つくのを避けるため「自分は内向的なタイプだからその仕事には向いていないのだ」と自分を納得させてしまったり、何か問題が起きたときに「自分は運が悪い生まれだからトラブルを引き寄せやすいのだ」と解決を諦めてしまうといったことが起こりがちです。
なんだか毎日が達成感なく過ぎていくと感じたり、空虚な感じがするときがあったら、もしかすると「自分はこういう人だから」と決めつけて型にはめて、そこから出ないようにしている息苦しさかもしれません。
不安を感じるかもしれませんが、一度自分に対して持っているイメージを取り払って白紙にしてみると新たな発見をすることがあります。
例えば、自分が苦手と思っていた色や形の洋服を試着してみたり、一人でレストランに行くなど、気後れしそうなシチュエーションに飛び込んでみたり、あまり読んだことのないジャンルの本を読んでみたりするのもいいでしょう。
自分とは違うなと思っていたカテゴリーにあえて足を踏み入れることで、ものの味方やとらえかたが変わり、自分の可能性や本当にやりたいことなどに気づくきっかけとなることがあります。
毎日に行き詰まり感があるようでしたら、今までしたことがなかったことにチャレンジしてみてください。