「かわいそう」が増えてきたら……:心理カウンセラー佐藤栄子の【ささる言葉】5

スポンサーリンク
佐藤栄子「かわいそう」が増えてきたら……©PhotoACライフスタイル
※この記事は約 < 1

街中にクリスマスケーキやおせち料理の広告が多くなってきました。あっという間に年の瀬がやってきそうですね。
クリスマスケーキ©PhotoAC
そんな折、時間つぶしに一人であるカフェに入った時のことです。

たまたま4人の女性グループのお隣の席が空いていたのでそこに座った私は、ぼんやりとスマホをいじっておりました。お隣の女性グループは40代か50代くらいの同世代とおぼしき方で、とても楽しそうにお喋りに興じていました。

席が比較的近く、私は1人だったのでそのグループの話していることが聞くともなく聞こえてきたのですが、会話のなかで「かわいそう」という言葉がやたら耳についたのです。

主婦のお茶会©PhotoAC
話題は芸能人の噂話や天候についてなど色々でしたが「浮気されてかわいそう」「病気になってしまうなんてかわいそう」「台風の被害にあってかわいそう」…というように、次から次へと「かわいそう」な人や出来事について話が出てくるのです。

とはいえ深刻な雰囲気になるでもなく、皆様終始にこやかにお話されていたことが、私のなかで若干の違和感となりました。

おそらくそんなつもりはないと思うのですが、話題のなかで「かわいそう」と決めつけられたことに対し「私は違うけどね」というかすかな優越感のようなものが漂っていたからかもしれません。

マウンティング ©PIXTA

カフェからの帰り道、ふと考えました。

もし自分や自分の家族が今、例えば何かの病気にかかって悩んでいたとしたら、同じように病気になっている他人に対し「かわいそう」と感じるだろうか?……違和感の原因は、どうやらそのあたりにありそうです。

ちなみに語源由来辞典によると、「かわいそう」という言葉は「かわいい」から派生しており、「かわいい」はそもそも「不憫」「気の毒」という意味で使われていたそうです。

現代のように「愛らしい」という意味が加わったのは、中世後半のことで、弱い者に対して手を差し伸べたくなる気持ちと、気の毒で見ていられないという気持ちは近いものがあり、「気の毒だから助けたい」→「愛らしい」の意味に転じたと思われると記載されていました。

逆境にある他者に対し不憫さを感じ、助けになりたいと思うのは優しい行為だと思います。

しかし、「かわいそう」と感じる出来事が増えてくると、自分のなかで「この状態は不幸だ」「○○してはいけない」などの決めつけルールが多くなってきます。中年女性のばつ©PIXTA

すると「幸せ、良い状態」のハードルが高くなり、それに合致しない出来事を排除すべく周囲に自分のルールを押し付けたり、日常でも些細なことで不安を感じやすくなります。

「どんな状況であってもどう感じるかはその人次第」と、様々な見方や立場があることを想像し、柔軟な捉え方ができるほうが他人に対して共感を持ちやすく、結果優しい対応もできますし、日頃の小さな幸せに気づくことも多くなります。

年齢を重ねて多くの経験をしてきたこの世代だからこそ、無意識な「かわいそう」が自分の視野を狭め、寛容さを損なってしまうので、口癖になっていないか自分自身で気をつけたいですね。

ライフスタイル
スポンサーリンク
この記事を書いた人
佐藤 栄子

心理カウンセラー。大手不動産会社で約20年、主に役員秘書として勤務。衛生管理者の資格取得後、心理学を学ぶ。子育てと介護のため退職。以後、オンラインメディアを中心に心理カウンセラーとして活動中。秘書検定1級・国際秘書検定タイトルホルダー・衛生管理者(Ⅱ種)※個人サイトがないので、お問い合わせはエイルナビまで。

佐藤 栄子をフォローする
エイルナビ