女性にとって気のおけない人とのおしゃべりは楽しいものです。
特に私たちの世代だと、お互いの話を聞いてないことを共通認識として、それぞれが好きなことを喋ってストレスを発散するということもよくありますよね。
しかしそんな時、「あなたには心を許せるから」と言って「実はね…」と悩み事や愚痴を話しだした人がいたとします。
励ましたりしているうちに、自分もなんとなく暗くなり、気分が落ち込んできたり、あとで「一生懸命考えてアドバイスしたけど、ちゃんと相手に響いているのかな」とモヤモヤした気分になってしまうことはありませんか?
こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。
「きく」という漢字には、よく使われるもので「聞く」と「聴く」の二つがあります。実はこの二つ、少し意味が異なります。
類語国語辞典(角川書店)に、
“「聞く」は音や声を耳に感じ認める意、「聴く」は聞こえるものの内容を理解しようと思って進んできく意である”とあります。本来、悩みや愚痴は“聴く”ものですが、もしあなたの気分が落ち込んでしまうとしたら、それは“聞いて”いるのかもしれません。
あなたは、相手が話している時、“相手の話”だけに集中していますか?
「そんなひどい目にあったなんてかわいそう」
「この人はどうしてこんなにネガティブなんだろう」
「それはあなたにも反省すべき点があったんじゃないかな」
「あ、私も同じような経験したからそれを話したい」
……など、話の途中で色々な思いが頭の中を錯綜しませんか。
実はこれは相手の話を“聞いて”、内容を認めて判断し、自分の価値観に引っかかったところを拾い上げて反応していることになります。
あなたが「かわいそう」と判断することばかり相手が話せば、その思いが自分の中でどんどん引き出されますので、自分もかわいそうな気持ちになってしまいます。こうなると自分が辛くなりますよね。
楽しい話なら「聞いて」反応し、自分も楽しい経験を思い出し話すことで良い気分を倍増させるので、多少話を聞いていなくてもお互い不快には感じません。
一方、深刻な話や愚痴などは自分の感情や判断を挟まずに「この人は何を伝えたくてこういう話をしているのか」だけに集中して、最後まで相手の話を“聴いて”みます。
すると相手は、話しきれた満足感で「理解してもらえた、話を聴いてもらえた」と安心し、心の絡まりがほぐれますし、自分はイヤな気持ちになったり一緒に落ち込むことが少なくなるのです。
ご家族やお友達と話していて、相談事をされた時などにぜひ試してみてください。