年末年始は帰省シーズン。今年は移動を控えた方が多かったかもしれませんが、それでも何かと家族、特に両親とやりとりしたり、思いを馳せたりする時期だったのではないかと思います。なかでも、女性であれば母親との関係はさまざまな意味で特別な方が多いでしょう。
今、人付き合いに疲れていたり、家庭で現実的な問題を抱えているとしたら、あなたの中の「母親に対する思い」を振り返ってみてもいいかもしれません。
あなたは自分の母親を一人の女性として捉えたとき、彼女のように生きたいと思っているでしょうか?
母親は一番最初に出会う同性のモデルです。母親がどんな女性であったとしても子供は「母親に好かれたい、認められたい」という思いを持って育ちます。
その思いが満たされた経験があると、さらに認めてもらおうとして、無意識に母親の価値観をすべて引きつごうとします。それが行き過ぎた結果、「自分の考え(=母親の教え)だけが正しい」と押し通そうとして、他人と軋轢を引き起こすことがあるのです。
反対にその思いが満たされないと、他人や世間の評価を手に入れて母親に見せつけようとするため、他人にすごく気を遣ったり、期待に応えようと頑張りすぎる人がいます。
一方で、「自分を認めない母親は間違っている」ことを証明しようとして、次々とトラブルや問題を引き起こしたり、母親が望むこととあえて真逆のことを行ったりして、自分に対する「母親の子育ての間違い」を認めさせようとする場合もあるのです。
つまり、母親のように生きたくても、そうではなくても、「認めてほしい、愛されたい」という承認欲求が強すぎると、結果として無意識に周囲との問題を引き起こすということを知りましょう。
母親との関係を見直すために
もし自分にもそのような思いがあると感じたら、以下の中でできそうなことを試してみてください。
原因となった経験を探す
上記のような感情は、過去なにがしかの「母親から認められなかった、愛されていると感じられなかった」と認識している経験から芽生えている場合が多いです。今思えば意外と些細なことかもしれませんが、自分がそう感じてしまった経験を思い出してみてください。
母親と話してみる
母親が存命であれば、その経験を話して、自分が失望したり悲しくなった思いを伝えます。彼女は覚えていなかったり、何がしかの言い訳をしたりするかもしれませんが、相手が自分を否定するつもりはなかったことがわかれば誤解がとけるでしょう。
母親を「1人の女性」として見てみる
母親は1人の女性であって完璧な存在ではありません。自分の思いを伝えるだけでなく、彼女の話も聴いてみましょう。たとえば家庭環境や育った状況によって、本人も必死だったり我慢したりせざるを得ず、「子供を認める」感覚を学べなかったのかもしれません。
母親の今までの人生を想像してみることで、この人も愛情を受け取ったり、表現したりが上手くできなかったのかな…と理解できれば、無理して母親に認めさせることから解放され、自分にとって最良なことに目を向けることができるでしょう。
母親に対する様々な思いは、年を重ねるほどに形を変えて自分の言動に現われてくる傾向があるので、自分や周囲が楽に生きるためにも、気付いたときに心の声を聞いて母親と向き合い、消化しておくことをおすすめします。