エイルナビ編集長の瀬津です。
女性の40代から50代は、心身や環境が変わるタイミング。今までとは違った悩みが出てくることはありませんか?
私にとっての最近の気がかりは、「気付かない」ことです。それなりに経験も積み、立場ができてくると「自分はこれでいい」と思いがち。ある程度は(自信が付いたから)と良く解釈できますが、度が過ぎると「変えた方がいいけど、誰も注意できない」状況に陥っているのではないか、特に一人暮らしなどしていると、ふと不安になります。
だからといって、素直に話が聞ける人もいないし……と思っていたときに、仕事を通して心理カウンセラーの佐藤栄子(さとうえいこ)先生をご紹介いただきました。
佐藤先生は約20年間、大手不動産会社で秘書としての立場から、さまざまな人間関係を見ていました。その経験から会社の衛生管理者の資格を取得し、産業医と連携して社員の健康管理も担当したことがきっかけで心理学を学びます。
その後、子育てと介護が重なり会社を退職し、心理カウンセラーとして独立。現在は女性向けメディアにてオンラインでの悩み相談や心理テスト作成、紹介による個人対面などのカウンセリング、コラムの執筆と活躍されています。
若い女性向けの記事が多い佐藤先生ですが、実は私と同世代。話してみたら、“ぐさぐさ来て納得するお話”が次々と出てきて、気がついたら、「先生の“ささる言葉”でコラムを書いていただけませんか?」とお願いしていました。気学やシニアチアなど、ディープな趣味もお持ちで、合間にそんなお話も伺えそうです。
カウンセラーの仕事とは?
はじめまして、佐藤栄子と申します。
心理学を学んでカウンセラーの仕事を始めてから今年で12年目になります。ありがたいことにお客様に恵まれて、個人カウンセリングだけではなく、心理テスト作成やコラム執筆、企業研修講師など幅を広げてきました。
「カウンセラー」という職業は国家資格ではありませんから、「〇〇カウンセラー」というように、名乗ったその時から誰でもカウンセラーになることができます。私の場合は「心理カウンセラー」なのですが、皆様は「カウンセラー」と聞くとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
問題に対して適確な解答を教えてくれる人。何でも知っている人。人の気持ちを読める人。私がよく言われるのはこの3点が多いです。しかし私自身にはどれもあてはまりません。解答を持ち合わせず、知識は限られ人の心は見えませんから、クライエント様のお話を一生懸命伺い、一緒に考えています。
私はカウンセリングとは「人の悩みや問題をたちどころに解消する魔法」ではなく「その人の持つ問題解決能力を本人が引き出し、発揮できるようになるお手伝い」だと考えています。
クライエント様に対して最初から答えを指示すると、たとえそれがその時点で最適な対応であったとしても、クライエント様が自ら考える機会を奪ってしまうことになります。それが続くとだんだんカウンセリングではなく、依存関係になる可能性があります。
依存は精神的な支配と従属の関係を生じさせますので、クライエント様にとっていい状態とはいえません。
もしあなたが現在、何か悩みを抱えていて、誰かに相談してみようかなと思っているのであれば、相手が結論を出してくれる、解決法を教えてくれると期待するのではなく、自分の中にその力があることをまず認識したうえでお話してみていただきたいと思います。
悩んで心が弱っているとつい何かにすがりたくなる気持ちになるのは誰しもそうだと思います。でも、あなたには問題を克服し、自分で自分を幸せにできるパワーが眠っています。辛い時には他の人の助けを借りてももちろん大丈夫ですが、人生の舵は自分が握っていることを忘れないでください。
これから私がカウンセリングの仕事を通して気づいたこと、考えたことを少しずつお話していきたいと思っています。よろしければ今後ともどうぞお付き合いくださいませ。