例年通り「あっ*」という間に1月も後半?!になってしまいましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
■製作年:2012年
■サイズ:135cm x 79cm x 104cm
■素材:foam sheet and mixed media
■所蔵:The Old Jail Art Center, Albany, TX
■画像クレジット:ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura ※無断転載禁止
連載最後の作品は、再び立体作品で、2012年作の “NEW DAY” 。
コラム第9回でご紹介させて頂いた “ANYTHING YOU WANT” と共に、その昔刑務所だった(1876/77年建設)Old Jail Arts Center 美術館での個展の為に作った作品です。
この個展は、二階の独房だった二つのスペースを自由に使える、なんとも面白い企画でした。はじめて現場を下見に行った時、特に心に響いたのは、小さな方の独房の壁の隅に “JOHN HAYDEN” と削られていたことでした。
聞くと、1920年はじめに殺人の疑いで捕まったアフリカ系黒人男性(地元のホテルのコック)が、18カ月間の服役中に(1923年)自分の名前を彫ったもの。結局彼は無罪で釈放されたそうです。
この独房と建物そのものの歴史と空気のせいか、部屋の隅に刻まれたこの男性の「声」に心打たれ、そんな時代にアメリカで黒人だった彼が釈放された時、一歩外へ出た時の気持ちが心に写ってくるようで、 “NEW DAY/新たな日” という作品になりました。
いつも使う木のスツールをひとつ、作品のすぐそばに置き、彼が存在した「証」を表現してみました。私なりに時空を超えて寄り添わせてもらう、そんな気持ちもありました。
誰でもやり直しはきく。仕切り直しはできる。我々ひとりひとり、皆が新しい、明るい明日に恵まれますように!
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というわけで、あっ*と言う間にこのコラムも今回で第20回目!最終回となりました。まだまだご紹介させて頂きたい作品は山のようにあるのですが、この辺でひとまず「おひらき」とさせて頂きます。
読者の皆様からの熱き熱きエール、心より感謝申し上げます。
いつの日か、日本の皆様にも作品を直に見ていただけく機会を実現できるよう日々精進、これからも一筆一筆、重ねてまいります。
*心から*の感謝を込めて、
原田佳奈
2021年1月30日〜9月5日、ここダラスの Crow Museum of Asian Art という美術館にて、個展「”DIVINE SPARK” (訳:「神性復活」)」を開催します。
テキサス州で活動しているアジア人女性アーティストにフォーカスをあてた企画で、オースティン市、ダラス市、ヒューストン市から、三年間にわたり毎年一人が選ばれます。
地元の、特にこの美術館で個展ができるのは、私にとってはかなりの一大事。今までしたことのないことなどもしてみたので、楽しんで頂けると思います。どうぞ万が一(奇跡的に!)お近くにいらした際には是非お立ち寄り下さい♪
これからも、引き続きお見守り頂けたら幸いです。