INTO THE GARDEN :原田佳奈の世界_13

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「INTO THE GARDEN」2011ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)カルチャー
※この記事は約 5 分で読めます。

今週のアメリカ合衆国は、感謝祭の週末です。

食べるものがあり、飲める水がある。呼吸が無理なくできる。太陽を浴び、月を愛で、いつでも空を見上げることができる。

そしてなんと絵が描ける!作れる!

と、そんなひとつひとつがつくづく嬉しくありがたく、思わず手を合わせてしまう今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか

■タイトル:INTO THE GARDEN
■製作年:2011年
■サイズ:61cm x 16.5cm x 23cm
■素材:foam sheet and mixed media
■所蔵:個人
■画像クレジット:ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura . Nasher Sculpture Center Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

今週の作品は、2011年作の ”INTO THE GARDEN”です。「庭園へ。。。」とでも訳しましょうか。

「INTO THE GARDEN」2011ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

この作品は、まだフリーエージェントだった頃、我が家から徒歩10分程度のところにある、Nasher Sculpture Center/ナッシャー彫刻美術館主催のイベントに、参加を依頼された時に作ったものです。当時、ダラスで活躍し始めていた3人のアーティストのひとり、とオダテていただき、素直に承諾♪(笑)

3人のパネルディスカッション/インタビューと、それぞれの作品のオークションを兼ねた、基金集めのカクテルイベントでした。

2011 Nasher Sculpture Center(無断転載禁止)

©Nasher Sculpture Center 2011

オークションなので、要するに作品は寄付するわけです。

「大体3万円程度のものを作ってくれれば良い」とのことでしたが、イヤイヤイヤ、フリーエージェントでこの美術館にお声がけ頂くと言うのは滅多にない一大事。

サイズは小さめに抑えても、テマヒマ&イキゴミにはイトメなど付けるものか、とまったく*思う壺*な原田佳奈。思い切りノビノビ作らせて頂きました(笑)

「ナッシャー彫刻美術館での体験にインスピレーションを受けた作品」と言うのが提示されたテーマだったので、私は迷わずこの美術館の“庭園”を選びました。この庭園は小さめではありますが、いろいろな彫刻作品に触れながら時間を過ごせる、なんとも素敵な場所です。いつも緑が瑞々しく、ゆとりと潤い溢れるエレガントな気持ちにさせてくれます。

庭園に面した館内のカフェでのブランチやランチも楽しみのひとつで、私にとっては、ある意味とても「ダラスらしい」場所。なので日本からいらした方には必ずお薦めしています。

と言うわけで、瑞々しさ、朝露、緑、静寂、ゆとりと潤いを胸いっぱいに作ったこの作品は、それまで白や黒がメインだったのを、初めてグレーのフォームシートを使ってみた作品でした。

原田佳奈「INTO THE GARDEN」2011ⒸⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

このグレーは、先週の作品“LITTLE MONSTERについても書きましたが、非常に柔らかな品の良い素敵な色で、いつか使ってみたいと思っていました。

この色が、たまたま東京で見つけた何かの骨のように滑らかな手触りの流木にこの上なく良く合い、自然に白との組み合わせになりました。

日本の絹糸に、透明のビーズの朝露の光をもらい、希望の蕾にもちょっとだけ、咲いてもらいました。

原田佳奈「INTO THE GARDEN」2011ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

大事な花の中心に光があたると、裏が薄っすらと透けて、なかなか素敵な後ろ姿になったように思います。

原田佳奈「INTO THE GARDEN」2011ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

「テーマ」を与えられるのは、基本的に苦手なのですが、こうして気持ちが合う場合は本当に楽しいことなので、とてもありがたい機会でした。

このイベントで初めてのパネルディスカッションに臨みましたが、ドキドキして何を喋ったかは覚えていません(笑)でも、テーマに選んだその庭園で行われた夜のガーデンパーティーは、さすが!と思うほどそれはそれは素敵でした。

Nasher Sculpture Center(無断転載禁止)

©Nasher Sculpture Center 2011

オークションもいわゆるライブで、テキサスらしく、意図的に牛や馬のオークションのプロが独特の喋り方で盛り上げてくれたのは、なんとも楽しく面白い体験でした。

©Nasher Sculpture Center 2011

オークション出品作。中央が”INTO THE GARDEN”です©Nasher Sculpture Center 2011

私自身はオークションにかけられる側?だったので、できればその場にはいたくない…そんななんとも言えない気持ちでしたが、思いがけない高値をつけて頂けたので、どんなに胸をなでおろしたことか!(笑)

このイベントに声をかけてくれたコーディネーターや、二人のアーティスト達とも今だにお互いにエールを送り合う仲で、またたくさんの良い出会いに恵まれた夜でした。

いつの日か、またどこか素敵な日本の庭園に出かけたいものです。素晴らしい景色広がる晩秋の週末をお過ごし下さい♪

xoxo

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この記事を書いた人
原田佳奈

1962年東京都生まれ。水彩画、造形作家。子供時代の数年をニューヨークのロングアイランドで過ごす。帰国後高校時代夜学でデッサン等を叩き込まれ、現在テキサス州ダラスにて水彩画や立体作品を作り続けている。寅年B型双子座。

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