あなたは腰痛を感じたとき、どうしていますか?
湿布や薬、腰を伸ばすストレッチやマッサージをするなど、いろいろ試されていると思います。
でも、その時は良くてもすぐに痛みが出る、慢性的に痛みがある…そんなときは、別の部位の“凝り(コリ)”が原因かもしれません。
こんにちは、健康運動指導士の阿部です。実は私も腰痛持ち。今でもいろいろな改善方法に取り組んでいます。
その中でプロの立場から見ても効果を感じた、腰痛軽減のためのストレッチをご紹介します。
1. 腰痛の原因は、腰以外にもあった!
腰痛とは文字どおり、“腰の痛み”。痛むのは腰ですが、その原因が腰以外にあることも少なくありません。
腰痛の原因になりやすい場所の一つがお尻です。お尻の筋肉の多くは腰の筋肉と繋がっているため、お尻の筋肉が凝ると腰痛になりやすくなります。
もう一つの原因は太もも。前かがみになる、腰を後ろに反らす時に痛みを感じる場合は、腰痛の原因が太ももである可能性が高いです。
2. お尻や太ももが凝ると、こんな痛みの原因になる
お尻が凝ると、お尻の中の筋肉が腰の筋肉を無理やり引っ張るので、腰の奥に嫌な鈍痛を感じやすくなります。腰の表面をマッサージしても、痛みに直接届かないイメージです。
太ももの場合、後ろ側が凝ると前かがみの動作での腰痛、前側が凝ると腰を反らす動作での腰痛をもたらすことがあります。
座る姿勢から立ち上がるときに痛みを感じるとき、高いところにある物を取ろうとしたときに腰痛を感じるなら、太ももの凝りが原因かもしれません。
3. 腰痛を軽減する、お尻と太もものストレッチ
お尻や太ももの凝りが原因の腰痛は、それぞれの部位をストレッチすると効果的です。
いつもより多く歩いた、長時間座っていたなど、お尻や太ももはちょっとしたことで凝りやすいので、この機会にストレッチを生活に採り入れてみましょう。
3-1. 腰痛を軽減するお尻のストレッチ
お尻のストレッチはテニスボールを使うと簡単にできます。これから紹介するお尻のストレッチは、最近話題の“筋膜リリース”(筋肉を包む膜である筋膜を緩めることで、コリや痛みを解消する方法)としても知られています。
やり方は簡単。仰向けに寝転がり、片側のお尻の上部にテニスボールを当てて20〜30秒寝ておくだけです。
お尻の真ん中、側面など“痛いポイント”を探して、痛みが緩むまで圧をかけます。(ぐいぐい押すのではなく、ゆっくり圧迫してください)
体をしっかりと安定させられるなら、テニスボールを当てたまま上下左右に揺れたり、膝を倒す・立てるなどの動作を入れると、よりストレッチ効果が高まります。
終わったら反対側のお尻も同じようにしてください。
3-2. 腰痛を軽減する太もものストレッチ
・太ももの後ろ側のストレッチ(前かがみで腰痛を感じるとき)
両足を痛気持ちいくらいの角度に開いて座ります。
右手の人差指と中指を右足の親指にひっかけ(難しい場合はタオルを使う)、左手を左耳の横につけて天井に向かって伸ばします。
息をフーっと吐きながら上半身を右側に倒し、自然に呼吸をしながら10秒キープします。終わったら、左足もしましょう。
※右足のつま先は天井に向け、背中や腰を丸めずに、おへそを太ももに近づけるようにするのがポイントです。
・太ももの前側のストレッチ(腰を反らすと腰痛を感じるとき)
クッションや座布団を重ねて前に正座し、ゆっくりと後ろに倒れます。太ももの前側が気持ちよく伸びていると感じる所で20秒間自然に呼吸しましょう。
※太もものストレッチの詳しい解説はこちらの記事をご覧ください
>>>健康運動指導士が教える、睡眠60分前の安眠ストレッチ◆やり方7選
4. まとめ
自宅でできる腰痛改善のストレッチ方法を紹介しましたが、中にはストレッチでは改善が難しい病気や機能的な問題が隠れていることもあります。
ひどい痛みがある場合はまず医師に相談してくださいね。
今回紹介したお尻や太もものストレッチは、腰が重かったり運動不足を感じたときにも効果的です。お風呂上がりなどに、ゆっくり心地よく伸ばすことに気をつけて、お試しください。