こんにちは、インド系フィジー人の夫を持つ、ライターのアンバー遥です。
いつもはインド家庭料理ですが、フィジーと成田を結ぶ直行便が2018年7月より就航するのを記念して(?!)、今回は伝統的なフィジー料理を紹介します。(私も2年フィジーに住んでいましたので、現地仕込みです!)
※格段に行きやすくなる南太平洋の楽園フィジー。女性に向けてのオススメ旅は、こちらの記事で紹介しています。
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1. ココナッツ抜きでは語れないフィジーの暮らし
最近、日本でもその驚くべきパワーで人気が高いココナッツですが、フィジーでは野生の椰子(ココナッツ)の木が至る所に自生しています。
若いココナッツの実からはフレッシュジュース。成熟した実の果肉からはココナッツミルクやオイル。ココナッツの外側の殻は、硬質で軽いため、ボウルなどの器や装飾品と、余すことなく活用されています。
日差しの強いフィジーでは、皮膚を守るためにココナッツオイルを身体に塗って外出しますし、栄養価の高いココナッツの実を、家畜の餌として与えることもあります。
フィジーの人々の暮らしは、まさにココナッツ抜きでは語れないのです。
2. スーパーフード ココナッツミルクのパワー
フィジー伝統料理「ココンダ」には、ココナッツの果肉部分から抽出されるココナッツミルクを使用します。
最近はココナッツオイルがダイエット食品として注目されていますが、ココナッツミルクに含まれる成分もココナッツオイルと同様のパワーがあります。
注目すべき栄養素は、「中鎖脂肪酸」と「トコトリエノール」です。
ココナッツミルクは、どろりとした液状で、脂肪分が多くカロリーもそれなりに高い食品です。
しかしココナッツミルクの主成分は「中鎖脂肪酸」と呼ばれる脂肪分で、一般的な動物性脂肪や油脂類に含まれる長鎖脂肪酸と構造が異ります。
「中鎖脂肪酸」は、体内に取り込まれると貯蔵されることなく素早く分解され、体内に蓄積されていた脂肪を燃焼する働きもあります。これがダイエット食品として人気の理由です。
そしてココナッツミルクに含まれるもう一つの注目すべき栄養素は、「トコトリエノール」というビタミンEの一種です。
トコトリエノールは、非常に強い抗菌・抗酸化力からスーパービタミンEとも呼ばれ、医学的な研究も進められているそうです。
ココナッツミルクは、美肌、アンチエイジング、便秘解消、そしてあらゆる病原菌から身を守ってくれるなど、美容と健康にいいことづくしのスーパーフード。
ナッツアレルギーの人は注意が必要ですが、その心配がなければ、ぜひ日常的に用いたい食材ですね。
そんなココナッツミルクをたっぷり使った、フィジーの伝統料理「ココンダ」の作り方を紹介します。
3. フィジー伝統料理「ココンダ」の作り方
「ココンダ」は、生の白身魚をレモンでしめて、野菜とココナッツミルクで和えたマリネのような料理です。
私がフィジーで働いていた2年の間、現地の人々が主催するパーティーやお祝い事に出かけると、必ずこの料理がテーブルに並んでいました。
野菜の彩りが良く、レモンの酸味が爽やかで、日本人の口にも合う一品です。
フィジーは300以上の島々からなる海に囲まれた国なので、魚介類が豊富に採れます。
フィジー語でワル(walu)と呼ばれるサンゴ礁に住む魚や、 マヒマヒ(mahi-mahi)またはスナッパー(snapper:鯛)など、白身魚の種類も豊富。
一般に生食の習慣はありませんが、ココンダには新鮮な生の白身魚を使います。
日本では、シメサバのように魚をしめる時に酢を使いますが、フィジーではレモンを使います。臭みを消して鮮度を保ちながら美味しく食べる、冷蔵庫がなかった時代からの工夫ですね。
【材料】4〜5人分
刺身用白身魚 150〜200g(鯛やスズキなど)
塩 小さじ1
きゅうり 1本
紫玉ねぎ 1/2個(普通の玉ねぎでもOK)
赤または黄ピーマン 1/2個
ミニトマト 2〜3個
レモン 1個
ココナッツミルク 200ml(写真の缶は400ml入り)
お好みでフレッシュハーブ 適量(ディル、コリアンダー、パセリなど。写真はディル)
塩・コショウ 適量
2)ボウルに、一口大に切った白身魚と塩小さじ1杯を入れ、レモン1/2を絞ってよく混ぜる。後ほど水で洗い流すので塩は少し多めかなと感じるくらいで大丈夫。
3)ラップをして冷蔵庫に3〜5時間ほど入れて、白身魚をレモンでしめる。
4)きゅうり、ピーマン、トマトは小さめの角切り、玉ねぎは水にさらした後、粗めのみじん切りにしておく。ハーブも刻んでおく。
5)白身魚はレモンを絞って3時間以上経つと、身全体が白くなる。それが確認できたら魚を水でさっと洗って臭みを取る。
6)洗って水気を切った白身魚と、野菜を全てボウルに入れて塩・コショウをし、ココナッツミルク200ml、残りのレモン1/2を絞ってよく混ぜる。
7)最後にフレッシュハーブ(写真はディル)を散らして出来上がり。大きめのガラスボウルに入れて取り分けのスタイルにするか、小さなグラスに盛り付けて並べても綺麗です♪
4. まとめの一言
必ず、生食できる「刺身用」の白身魚を使用します。レモンでしめてはいますが、生魚を使用しているので、その日のうちに食べきってください。
美容と健康に最適なココナッツミルクをたっぷり使った「ココンダ」。フィジーの伝統料理を、ぐっと身近に感じていただけたら嬉しいです♪
次回は、鶏のハツと砂肝のカレーを紹介します。