1. TOP
  2. ライフスタイル
  3. 40代からの着物暮らし:着付け講師・阿部幹子さんインタビュー

40代からの着物暮らし:着付け講師・阿部幹子さんインタビュー

 2018/05/23 ライフスタイル 美容・ファッション
この記事は約 7 分で読めます。 175 Views
阿部幹子さん

結婚式や入学式、街中など綺麗な着物姿の方を見かけ、思わず目で追ってしまったことはありませんか?

着物は世界に誇る日本の伝統文化ですが、今や日常に着ると言うより京都や浅草といった観光地で着物を着て歩く、一種のイベント化されていしまっている感は否めません。

洋装で西洋スタイルの生活が定着してしまい、慣れない人にとって、着物を生活に取り入れるのはさまざまな意味でハードルが高くなっています。

伝統的な着物からモダンなデザイナーズ着物までを一同に見たり、購入することができる『東京キモノショー』や『きものロマン』が開催されるなど、一部には根強い人気を誇りながらも、なかなか一般的に手にする機会が少ないのではないでしょうか。

それでも、大切にしたい日本の伝統。どうしたらもっと気軽に楽しめるかと考え、着物のプロである着付け講師にインタビューをお願いしました。

今回お話を伺った彩(さい)きもの学院 立川校で校長を務める着付け講師の阿部幹子校長の年齢を感じさせない美しさとエネルギッシュさに、私は思わず息を飲みました。

この記事では、着物が与えてくれる若さや元気の秘密に迫ります。

インタビュアー:黒田ゆき

Sponsored Link

1. 着物の着付けが生涯の友人と出会うきっかけに

12畳ほどのスペースで学ぶ6人の生徒さん。1時間半にわたる着付け教室は、穏やかな雰囲気の中にも、絶えず笑い声が聞こえてきました。

「大人になってから、同じ趣味を持つ人と出会えるのはとても貴重なことです。着物を美しく着るという共通の目標を持つ中で、生徒さん同士の交流はもちろん、講師も含めて横の繋がりを大切にしています」

阿部校長自身、着付けを始めた当時の仲間と、20年来の友人関係を築いているそうです。

着物と出会ったことで、私は生涯の友人や趣味を得て充実した日々を過ごせています。生徒さんにもそうしたきっかけになればと、次回の教室前に着物を着てみんなでランチに行くのですよ」

2. 着物はどこに着て行っても綺麗

現代では着物を着る機会が減り、結婚式や入学式などの式典以外でどこに着物を着て行ったら良いかわからないという声も聞かれます。

「そんな今だからこそもっと気軽にカジュアルな場面で着物を着て楽しんでほしいです。たとえば、結婚式帰りに立ち寄る感覚で、スーパーでもコンビニでも好きなところで構いません。視線を感じたり、声をかけられたりすることもありますが、ほとんどの場合が好意的な気持ちからです。

『綺麗ですね』、『華やかにしてくれてありがとう』などお礼を言われることもあります。実はみんな、着てみたいと思っているのではないでしょうか」

とはいえ、着物を着て出かけるのに慣れていない人のために、お茶会やイベントなど着物を着る機会を提供しているそうです。

「みんな初めての時は恥ずかしくて下を向いているのですが、1回、2回と経験するうちに慣れてきて堂々と歩く姿を見るのは私も嬉しいですね。

浅草に行って人力車に乗ったり、歌舞伎を見に行ったりもします。周りも着物の方が多いので自然と溶け込み、着物でのお出かけを心から楽しんでもらえるようです」

3. 着物の着付けは自分を表現するもの

着物の知識が深くなり、着付けの技術を高めることも、自信を持って出かける動機になると言います。

「着物を着て動いてみると締め方のきつさや緩さなどがわかるので、実際に外で歩いてみることが大事です。

何でも揃う便利な時代だからこそ、あえて手間のかかる着物を着るのは贅沢で豊かなことだと感じています」

着物を美しく装うには自分の顔立ちや体型、それに似合う色や柄を知ることも大切になります。つまり着物を装う時間は自分自身を見つめ直し、個性を表現する時間でもあるのです。

着物を通して、気持ちが満たされる…教室からいつも笑い声が漏れていた理由がわかるように感じました。

4. 夏も冬も快適な着付け。見ているだけで豊かな気持ちに

「夏の着物は暑そうだとよく気遣われますが、みなさんが思っているほど暑くありません。麻の着物は着ている方が涼しいくらいで、季節に合った素材を選ぶと洋装よりも快適に過ごすことができますよ。

着物のデザインには季節の風物詩が散りばめられていて、日本らしい四季の移り変わりを感じることができるので、着ている方も見る方も豊かな気持ちになれるのです」

節分の鬼、桃の節句のお雛様、七夕など季節感表現した帯や帯留め、ショールやバックなどをコーディネートするのも、着物を着る楽しみと言います。

「フォーマルな時はきちんとした方が良いですが、常にそれでは堅苦しいので、ある程度柔軟に表現しても良いのではないでしょうか。

『着物姿が素敵』と思われるように、しっかりとした基礎の上に品格を保ちながら、人に喜ばれる着方を教えたいと思っています」

5. 着物の着付けは、一生磨き続けられる技術

阿部校長は40代後半の時、日本舞踊を習い始めたのがきっかけで着物と出会いました。日本舞踊では着物を着てお稽古をするため、一人で着られるようになりたいと着付け教室に通い始めたそうです。

「そのうちに着物が大好きになり、常に触れていたいと思うようになりました」

その後、着付け教室の校長先生やスタッフに講師になることを勧められたこともあり、50代半ばで講師を目指します。数年の勉強を経て専任講師となり、現在12年目です。

「毎日のように着物を着て、それに合わせて髪の毛を結っていますが、帯の締め具合や衿の角度、髪型が前日と全く同じようになることはありません。

着物は着た回数だけ変化があり、ずっと磨いていける技術だと思っています。実際に60歳、70歳をすぎて着物の着付け技術がピークを迎える人もいるほどなので、私もステップアップし続けたいですね」

6. 長襦袢に袖を通すと私のスイッチが入ります

阿部校長にとって着物を着ることは、“静”から“動”へと気持ちが切り替わることなのだそうです。凛とした美しい佇まいからは想像できませんが、洋装では気持ちが緩んでしまうと言います。

「着物は洋装に比べると活動的ではありませんが、だからこそ、その立ち居振舞いが美しい所作につながるのです。着物を纏(まと)うことで、大和撫子になれます。」

毎日を着物で過ごして困ることと言えば、“私服を探すのが大変”なことと、“流行のファッションがわからない”ことで、教室に着た生徒さんに洋服をどこで買っているのか尋ねるのだそうです。

着物は体型を問いませんし、年齢を重ねることで美しさが出てくる魅力があります。式典や行事など、着物を着るフォーマルな機会は年に1、2回程度しかないので、より多くの人に普段着のように楽しんで欲しいです。

そのためにも見た人が『素敵だから自分も着たい』と思ってもらえるように着物を着付けたいですし、着付けられる人を増やしていきたいですね」

7. 着物で人生100年時代を豊かに!

“人生100年”と言われるように一生で過ごす時間が増え、物に不自由しない時代だからこそ、好きなことを追求していくことが大切なのではないでしょうか。

「私は着物を通して、時に仕事や家庭のグチなども言いながら一緒に学び高め合っていける友人たちと出会うことができました。おかげで人生がいっそう豊かになり、人に優しくなれたと思っています。

私が経験したようにより多くの女性にイキイキと輝いてもらいたいですが、そのきっかけの一つが着物だったら嬉しいです。」

8. インタビュアーから

着付け教室の生徒さんに、通い始めたきっかけを聞いてみると、「母から譲り受けた着物を着たい」「コンサートに着物で行ってみたい」「子どもたちの入学式や卒業式に着物で参加したい」などさまざまです。

しかし阿部校長の言うように着付け教室で学んでいる方々は、とてもイキイキしているように感じます。

そして当初の目的を果たす以上に「普段からスカートを綺麗にして座るなど所作が美しくなった」「姿勢が良くなった」「気持ちが上向くようになった」と、着物に触れることで日常がより豊かになったと感じている方が多いようです。

当初は気軽に着物を、と考えていましたが、先生や生徒の方々のお話をうかがって、逆に便利な世の中だからこそ、着物を着るという制約のある生活を取り入れることで、人生が豊かで輝きのあるものになっていくと感じました。

Sponsored Link

\ SNSでシェアしよう! /

エイルナビ|40代から50代の女性ためのライフスタイルナビの注目記事を受け取ろう

阿部幹子さん

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

エイルナビ|40代から50代の女性ためのライフスタイルナビの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!
Sponsored Link

スタッフ紹介 スタッフ一覧

黒田 ゆき

黒田 ゆき

健康運動指導士兼Webライター。ライティングスクール運営。医療系営業職を経て、Webライター業で独立。陸上競技経験や健康スポーツ系学部卒業、健康運動指導士という資格を活かした健康系の記事執筆が得意です♪

この人が書いた記事  記事一覧

  • ためしてガッテンでも話題の膝痛は、簡単3分ストレッチで改善!

  • お尻と太ももが原因?ストレッチで腰痛を軽くする!

  • 40代からのサプリメント入門:運動の疲れが抜けない、なかなか痩せないとき

  • メルカリはNG? 40代女性のための、損をしない着物買取ガイド

関連記事

  • 健康運動指導士がオススメするグリーンリラックス◆その効果と方法

  • お手頃価格のリプロダクト家具:購入時にチェックすべき7ポイント

  • 40代女性のための、自宅で筋トレガイド

  • 女性の肌質は変わりやすい!40代で敏感肌になる理由

  • 40代女性のためのオススメ海外一人旅 素朴な自然と極上スパのフィジー

  • 女性が考える、40代からの住み替え・1【準備編】