こんにちは、ジャングル育ちの夫と日々格闘する、ライターのアンバー遥です。
今回紹介するライタは、刻んで塩もみしたキュウリとすりおろしニンニクをプレーンヨーグルト(無糖)で和えた一品。スパイシーな味付けが多いインド料理の中で、箸休め的に食べる爽やかなサラダです。
夫がフィジーの実家で食べていたライタは、サラダというよりもディップに近く、フィジーの主食であるタロイモやキャッサバというお芋や、自家製の“ロティ”と呼ばれる薄いクレープ状のパンにつけて食べていたとか。前回の“ひよこ豆と玉ねぎのクミン炒め”と同様、休日によく食べていたそうです。
1. キュウリ、ヨーグルト、ニンニクのパワー
キュウリは90%以上が水分なので栄養価が低いと思われがちですが、実は隠れたパワーがあります。
キュウリに含まれるカリウムは不要な塩分を体外に排出してくれるので、むくみ防止や血圧を正常に保つ働きがあり、更に脂肪を分解する酵素や、髪や爪を健康に保つミネラルも含まれています。
キュウリの難点はアスコルビナーゼという酵素で、ビタミンCの一部を酸化させるため、摂取できるビタミンCの量を減らしてしまうのです。
しかし、このライタのようにキュウリを塩もみすることや、ヨーグルトのような酸性の食品と混ぜることによって、酵素の働きを抑えることができます。まさにキュウリの良いとこ取り♪な一品です。
ニンニクは、滋養強壮や疲労回復、また免疫力アップなどさまざまなパワーで知られていますが、食後のニオイが気になりますよね。ここで効果的なのがヨーグルト。ヨーグルトに含まれるたんぱく質には、ニオイの元となる成分アリシンの生成を抑える働きがあるのです。
ヨーグルトの乳酸菌で腸内環境を整えることはもちろん、キュウリの栄養を逃さず、ニンニクの気になるニオイまで抑えてくれる、嬉しい・美味しい組み合わせ。では早速、ライタを作ってみましょう。
2. ミント風味のライタ・作り方
ライタはインド系の家庭ならどの家でも作る一般的な料理ですが、それぞれの家庭によって材料や味付けが微妙に異ります。キュウリが細切りではなく角切りだったり、玉ねぎやレモンが入ったり入らなかったり、ミントの代わりにコリアンダーを使ったり。
また最近は、日本人の口に合うようにアレンジされたライタや、彩り野菜を加えて見た目も華やかに仕上げた前菜風のライタなど、素敵なレシピもたくさんあるようです。
今回紹介するのは、夫の実家のライタを再現した、素朴な基本のレシピです。この味に慣れたら、お好みでアレンジも楽しんでみてくださいね。
【材料】2〜3人分
キュウリ 2本
塩もみ用の塩 小さじ 1/2 程度
無糖ヨーグルト 250g (水切りがオススメ)
おろしニンニク 少々(チューブでもOK)
ミントの葉 2〜3枚程度 (またはコリアンダーの葉)
クミンパウダ ー 少々(クミンシードをすりつぶしてもOK)
塩・コショウ 少々
【手順】
1)キュウリは細切りにして塩もみし、15分ほど冷蔵庫に入れておきます。
2)15分後、キュウリから水分が出ているので、ぎゅっと絞って水分を切ります。
3)水気を切ったキュウリをボウルに入れ、ヨーグルトとすりおろしニンニク、クミンパウダー、コショウを入れてよく混ぜます。
4)味をみて、塩が足りないようであれば足します。
5)ミントの葉を細かく刻んで、混ぜたら出来上がり。
4. まとめの一言(ヨーグルトのズボラ水切りテクニック)
ライタは時間が経つとヨーグルトが分離したり、キュウリの水分で水っぽくなって味が落ちるので、作り置きはできません。作った分はすぐに食べてしまいましょう。
また、ヨーグルトは調理前に水切りしておくと、更に美味しく仕上がります。水切りの手間を省きつつヨーグルトの水分(乳清)を簡単に分離させるには、コーヒードリッパーを使う方法が簡単です。
ヨーグルトにニンニクといえば、日本人にとっては不思議な組み合わせですが、さっぱりとした味わいがクセになります。簡単で、口も身体もスッキリとなる、オススメのお総菜です。
次回は、ラマダンのときによく食べる、ダールスープ(豆のスープ)を紹介します。どうぞお楽しみに!