こんにちは、料理大好きライターの境靖子です。
ひどく疲れたとき、風邪をひいてツライとき。
一杯のお味噌汁がくれるほっとした瞬間は、誰でも感じたことがありますよね。
最近、発酵食品としても注目が集まっているお味噌汁ですが、作り方も出汁からこだわるとなると、少し面倒…。また、具材にもバリエーションが欲しいと思うことありませんか?
そこで、私の料理教室でも大好評だった、身体に優しく、簡単なのに美味しい、野菜たっぷり味噌汁の作り方を紹介します!
1. 作ってみよう!野菜たっぷりの味噌汁
★材料の目安:手軽に作るお味噌汁ですから、材料の分量はあくまで参考です。
・椎茸…200g 軸をはずし、石づきをとる。軸は千切り、かさの部分は薄切り。
・玉ねぎ…600g 回し切り※
※回し切りとは、ヘタと根元(芯は少し残す)を取り、半分、もしくは1/4に切った玉ねぎを、根元の芯を少し残し、繊維に沿って放射線状にスライスします。目にしみにくく、玉ねぎの甘味を引き出します。
・人参…200g 縦の繊維に沿って4~6㎝ぐらいの長さで千切り。
・塩…少々
具だくさんにしたいときはたっぷり、おかずが多いときは少な目など、そのときに合わせて調整して下さい。分量の割合のちがいで微妙に味わいが変わります。それも含めて楽しみましょう。
★作り方:
1)鍋底に、パラパラと均一に塩(小さじ1/4弱)を振ります。下から椎茸・玉ねぎ・人参の順に重ね※ます。
野菜が平らな層になるように手の平で整えて下さい。人参まで重ねたら、人参の上にも同様 に塩(小さじ1弱)を振ります。
※椎茸、玉ねぎ、人参の順番に重ねるのには、意味があります。野菜が大地で生長するときに、上に向かって伸びる力が強い野菜を鍋の下の層に、下に向かって伸びる力が強い野菜を上の層に重ねます。伸びる力を活用した方法で、「陰陽論」に基づいた考え方です。
2)蓋をして、水を入れず、弱火で約30分ほど、野菜の持つ水分で蒸し煮にします。野菜から出た水分が鍋の中で水蒸気となって対流して野菜に熱が入ります。使う鍋にもよりますが、15分ぐらい経つといい香りがしてきます。
3)蓋を少し開けて、人参を試食。甘みを感じたら具が完成です。
4)鍋に適量の水を加えて煮立たせ、味噌を溶かして出来上がりです。
あとはお好みでワカメを入れたり、ネギを散らしたり。人参の上にジャガイモを重ねても美味しいです。
2. 出汁がいらない秘密は「重ね煮」
作り方を見て気付かれたかもしれませんが、この味噌汁に出汁を使いません。それなのに、濃い野菜の味わいを感じます。
その秘密は、具を「重ね煮」で作っていること。蓋を開けたときに、野菜から出ている水分に驚かれると思います。
重ね煮では、鍋底と一番上にくる野菜の上に塩をふり、蒸し煮にすることで野菜の水分を引き出します。これが旨味となり、鍋の中で調和しておいしくなるというわけです。
蓋についてる水滴は旨味になるので、鍋の中に落として下さいね。
できたら、味噌を溶くまえに一口野菜を味わってください。濃くて優しい味わいに感動しますよ。
蒸すのに少し時間がかかりますが、入れておくだけなので手間はかかりません。
重ね煮しておけば、味噌汁以外にも応用できます。野菜不足を感じる方はゼヒお試し下さい!