今年は例年よりもある意味静かめ?ではありますが、感謝祭やクリスマスの気配はちゃんとしてきているアメリカの今日この頃。皆様お元気にお過ごしでしょうか。
■製作年:2012年
■サイズ:18cm x 11cm x 11cm
■素材:foam sheet and mixed media
■所蔵:個人
■画像クレジット:ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura ※無断転載禁止
さて、今週ご紹介させて頂きます作品は ”DUET/デュエット” です。
その昔、刑務所だった Old Jail Art Center 美術館での2012年の個展で発表した作品のひとつです。その心は、「ずっと一緒に歌って踊る。 ずっと、ずっと一緒」。
刑務所だった、などという興味深い歴史のある場所での個展だったからこそ、夢や希望、心の自由、そして誰でもが、どんな事情でどんな状況下にあろうと、一日でも早く会いたい人に会える日を迎え、生きてゆきたい道を生きてゆける明日が来るように、とそんな想いを込めた個展でした。それ故に生まれた作品のひとつ、と感じています。
この作品も、直感に降りてきた作品のビジョンを、フォームシートという素材とステンレスのワイヤーでどんな風に具現化できるか、いくつもの作品を経て、生まれたひとつです。
空中を滑りツルンと飛んでゆくような曲線に踊ってもらい、鮮やかな柄に楽しく歌ってもらいました。わりと上手にハモれているんではないでしょうか♪
製作中、気がつくといつも考えているのは、たとえば花と花どうしの“会話”。普段その辺に一輪だけで咲いている小さな花からも、“歌”のような、その心が聞こえて来るような気がどうしてもするので、作品を作っている最中、自然とそのストーリーというか、場面が心の中に生まれます。
木々や葉、苔やキノコなども、それぞれのびのびと咲き、みずみずしく生きていて、お互いそっぽを向いているような様子でも、彼らの間には必ず“会話/対話/インタラクション”がある、そんな響きの面白さを、おそらく誰も気がつかないそこここに表現し、遊んでみています。
楽しそうに一緒に踊っているように見える“DUET”は、わかりやすい方?の良い見本ではないでしょうか。
以前、鹿が生え代わりの時に落とした角をプレゼントされた時に感じた、鹿のなんとも生々しい命の“決意”や“夢”、“憧れ”の響きで作品を作ったこともありました。
今でもいろいろな作品の葉や花の陰に、森の語り部のような小さなキノコに潜んでもらったり、お互い手を伸ばし合う花々や、希望に顔を輝かせるつぼみ達、井戸端会議に花咲く果物たちにも賑わってもらっています。
世界中、お互いいろいろなことを超えて、ただただ寄り添い合える、手をつないでいられる、素直に喜び合える日が、いつか必ず来ますように。
思いがけない素晴らしい出会いや会話に、心踊る週末をお迎え下さい♪
xoxo