BONSAI: DRAGON SUMMER:原田佳奈の世界_8

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原田佳奈「BONSAI: DRAGON SUMMER」2008ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)カルチャー
※この記事は約 4 分で読めます。

ほんの少し肌寒い日々もチラホラとある今日この頃。

こちらは来年1月末からの予定の個展の打ち合わせが、いよいよ本格的になってきています。この一週間、皆様はどんな風にお過ごしでしたでしょうか。

■タイトル:BONSAI: DRAGON SUMMER – 龍神様も踊る夏
■製作年:2008年
■サイズ:84cm x 51cm x 33cm
■素材:foam sheet and mixed media
■所蔵:個人
■画像クレジット:ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura ※無断転載禁止

今週も黒の作品をもうひとつ、ご紹介させて頂きます。はじめて本物の木の枝を使ってみた作品です。

この作品は、あまりの暑さに巨大な龍神様が喜び踊っているような気がした、ある夏の作品です。頭の部分は雲を突き抜け、種を炸裂させている喜びの果実。

原田佳奈「BONSAI: DRAGON SUMMER」2008ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

この果実が熟れた時に生まれてくるのが、中央のブランコです。“ブランコ”は、いつものように心のよりどころであり、幸せな子供時代の思い出や、私達皆の内にある遊び心の象徴です。

原田佳奈「BONSAI: DRAGON SUMMER」2008ⒸKANA HARADA, Photo by Makoto Takemura .Unauthorized reproduction prohibited.(無断転載禁止)

下の部分は、龍神様が舞い踊る大空の、下界に近い方にこの喜びの果実が突き抜ける雲を浮かべています。

タイトルの頭に”BONSAI”とつけたのは、この作品が、「私が心で観て、創造した風景である」という意味で、アメリカ人にも多少イメージが湧きやすいこの一言を使ってみました。

この作品は、ダラスで初めて、非営利団体のアートスペースではなく、一般のギャラリーから個展の依頼を受けた時に作ったものです。

この画廊は当時まだオープンしたばかりで小さなスペースでしたが、画廊主の人柄が手伝い、たくさんのおもしろい光る才能を惹きつけていた場所でした。オープンした最初の年に、この町の”ニュー ギャラリー オブ ザ イヤー賞”を受賞したのも頷けることでした。

私の個展も、ダラスモーニングニュース紙の(日本の朝日か読売新聞のようなものです)記事にもなり、「なんもとポエティック(詩的)な個展だ」と言う素敵なコメントとともに、この作品の写真が思ったよりも大きく掲載されたのは嬉しい驚きでした。

The Dallas Morning News 2009/2/14(part)

この記事が出たのは、忘れもしない、2月14日。バレンタインデーでした。東京から遊びに来ていた母と、朝食のテーブルでこの記事を見れたのは、何よりも嬉しいことでした。

※The Dallas Morning News   2009年2月14日・記事翻訳

アートレビュー:原田佳奈

Air borne -風媒-:見た目とは裏腹のその軽やかさと優雅さで見るものを驚かせる浮遊作品群

特別寄稿:チャールス・ディー・ミッチェル

マイティーファインアーツギャラリー(Mighty Fine Arts gallery)のドアを開ける度に、その少しの風で天井から吊り下げられた原田佳奈の作品群が微妙に揺れる。それらはまるで照明器具店のサンプルのように空間を埋めているが、揺れる姿ですぐに見かけのような黒い金属製でない事がわかる。原田はクラフト店で売っている薄いフォームシートを使い、ハサミだけで優美で精巧な構造を作り出す。

原田の以前の作品群には、シャンデリアや装飾的な鉄製品に近いデザインが見られた。それは今でも多少あるが、より自然からのイメージや、遊び心があり、示唆に富む自由な形に移行している。”FOREST/森” や “IN THE MIST/霞”、”HOME/里” 等の題名は、抽象的な形や構造から見る者が感じ取るものを具体化していると言えよう。

一見、まるで型を使って切り抜かれたような対象さが見られるフォームシートであるが、ハサミのみで切ったと言う一枚一枚をよく見てみると、それぞれにユニークなバリエーションがある事がわかる。

その微妙な違いや変化が、ひとつひとつの作品にそれぞれの”リズム”を与えており、静かな落ち着いた拍子から、活気みなぎるジャズ風(と表現するのが最適)なリズムにまでその範囲は及ぶ。”BONSAI: DRAGON SUMMER/盆栽:龍の夏”という作品は、球形の”頭”があり、その周りを過密な太陽系のように小さな点が花飾り状に漂い、長い尾はまるで雲の中を通り抜けているようである。

多くの場合、芸術作品を”詩的”と表現するのはダサいとされているが、原田は技術的にも知性的にも好奇心をそそる、“視覚の詩的”をやってのけているのである。

注)チャールズ・ディー・ミッチェルはダラスのフリーランスライター。

私は子供の頃からずっと、平面作品/絵ばかり描いてきたので、立体作家になろうとは夢にも思っていませんでした。もちろん今でも”絵”はいつも描いていますが、いくつになっても”工作”はとてつもなく楽しいものです。自分が欲しいもの、実現したいものを、この手で作るのですから♪

私は、自分が表現したい/作りたいものを作り切ってしまうまでは、気の済むまでいくつでも似たようなものもを作ります。私以外の人の目には似たようなものであっても、私にとっては必ず新しい挑戦が伴っています。

フォームシートという素材を使い始めてから15年ぐらいは、作品ごとにまったくやったことのない、実現したことのないことばかりの繰り返しでした。でも直感で作りたい/作るべき作品が降りてくるから、作るしかない。できるかできないかではなく、やる。そんな人生です。(笑)

はじめはフォームシートという素材に対する理解がなかったのはもちろん、どの接着剤が何にどう反応するかや、力学的なこと、技術的/物理的に何がどう可能なのかなど、未知の挑戦ばかりでした。正直なところ、苦しいことの連続でした。言うまでもなく失敗も、やり直し作り直しも山のようにありました。

そのひとつひとつを体験することができ、クリアーできたお陰で、想像力にも磨きがかかり、「できないことは何もない」と、いつも心の中で呪文のように唱えつつ(笑)、自分の直感に降りてきた形を実現するまでは、決して諦めない、不屈のガッツを育てることができたように思います。

作品を作り続けることは、生まれてから死ぬまで、私を育て、支え、導き、生かしてくれる大きな大きな親の手のようなものなのです。

ろくに学校に行かなくても、何があってもなくても、ギリギリでグレず、道を踏み外さず(多分!笑)、今まで生きてこれたのは、この道があったからです。

ほとんどが白い作品だった今年前半の個展とはまたガラッと趣を変え、来年の個展では、壁の色なども今までにしたことのない試みを企んでいるので、今からワクワクしています。

大空を縦横無尽に駆け抜ける、龍神様の元気な尻尾になんとかつかまって、ブンブンゆきます!

どうぞ皆様も、元気いっぱいな週末を!

xoxo

カルチャー
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この記事を書いた人
原田佳奈

1962年東京都生まれ。水彩画、造形作家。子供時代の数年をニューヨークのロングアイランドで過ごす。帰国後高校時代夜学でデッサン等を叩き込まれ、現在テキサス州ダラスにて水彩画や立体作品を作り続けている。寅年B型双子座。

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