2020『佃眞吾展』at昂(こう)KYOTO に行ってきた

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佃眞吾展2020.7 於:昴KYOTOカルチャー
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2020年6月27日〜7月5日、京都の祇園町にあるギャラリー「昂-KYOUTO-」にて、木工作家・佃眞吾さんの個展が開催され、7月1日に行ってきました。

佃さんは雅陶堂でも個展を開催したことがあり、もともと作品のファンでしたので、Facebookで個展の開催を知って連絡したところ、ちょうど追加の納品に来られるタイミングでした。個展の様子をレポートします。

1.木工作家・佃眞吾

 

佃眞吾展2020.7 於:昴KYOTO

佃眞吾(つくだしんご)さんは、1967年に滋賀県で生まれ。23歳で木工家具職人となり、勤務のかたわら黒田乾吉木工塾に通ってくり盆や木漆一貫の仕事を学びます。28歳からは京指物※井口木工所に弟子入り。2004年に独立し、京都で工房を構えます。

高度な技術で名匠としても大変人気があり、個展を開けば展示品はほぼ完売。令和元年には、興福寺中金堂(ちゅうこんどう)落慶法要で、お献茶道具立礼及台子(りゅうれいきゅうだいす)一式と中金堂余材珠徳形茶杓(ちゅうこんどうよざいしゅとくがたちゃしゃく)を木工指物として手掛けました。

※金物の釘や接合道具を使わずに、木と木を組み合わせる組み手という技法と、それを使った家具、建具、調度品などの伝統工芸品の総称

2.今回の個展では

佃眞吾展2020.7 於:昴KYOTO

「昂(こう)-KYOUTO-」では2年に1度、テーブル周りの敷物を中心としたラインナップで佃眞吾さんの個展を開催されているそうです。西洋アンティークを基本としたギャラリーで、展示されていたサルヴァ(銀盆)の形をさまざまな木材で作った作品を中心に、精密な技術に裏付けされた、使い勝手の良さそうな敷物が並んでいました。

佃眞吾展2020.7 於:昴KYOTO

作品のことをうかがうと、木材の種類(メープル、神代欅、黒柿、玉椿ほか)や、手前右側のように文様が出るちぢみという部位の話、また技法も削り出しや漆塗りなど、木の話になるとアツいのです。

きっと何度も同じ話をされているだろうと思うのですが、飽くことのないマニアぶりに嬉しくなってしまいます。

佃眞吾展2020.7 於:昴KYOTO

たまたま納品の時にうかがえたので作品がありましたが、初日はかなりの混雑で、新型コロナの外出禁止明けで、密を避けながらもレジにお客様が並んだとのこと。実際、これはと思う作品は売約済みシールが。使いやすく、価格帯も3万円台からあるので、人気なのも納得です。

また、オーナーの永松さんのセンスが抜群で、洋食器や陶器、花などとの組み合わせが本当に素敵でした。

3.ギャラリー「昂(こう)-KYOUTO-」

ギャラリー「昴(こう)KYOTO」

「昂(こう)-KYOUTO-」は、オーナー・永松仁美さんによる西洋アンティークと企画展のギャラリーです。永松さんは骨董店に生まれ、専業主婦として三人のお子さんを育てた後、アンティークショップを開店。

葛きりで有名な京都の鍵善良房のカフェコーディネートを依頼されたことをきっかけに、ショップをカフェの2階に移転し、西洋アンティークと企画展のギャラリーとして運営されています。現在では、店舗のコーディネートや百貨店でのイベント開催、エッセイ本の出版など、さまざまな分野で活躍中です。

今回の個展に関しては、永松さんが「婦人画報オンライン」の連載で詳しく紹介されているので、そちらもぜひ。

4.セツのまとめ

佃眞吾さんと2020.7 於:昴KYOTO

いつもダンディな佃さん

実は欲しかったんです!佃さんの敷物。

うちの個展では、“ぜったい金属にしか見えない華瓶”を主催者特権で買っていたのですが、家において眺めていても、華瓶として使ってもとても良いのです。

金沢で個展をしているときに、たまたま行く用事があったのでギャラリーまで足を伸ばしたら「初日にほぼなくなって、もう在庫はありません」と言われてしまいました。

なので、今回は選ぶのに苦労しながらいくつか購入しました。

すごく高度な技術で作られているのに冷たくなくて、小動物のような温かさや可愛さが伝わってくるのが佃さんの作品の魅力。だからひとたび手に入れるとハマってしまう人が続出するのかなと思います。

魅力の理由のひとつに気付いたのが、永松さんと三人でお話ししていたときのこと。

永松さんが「古典的な和の物もあれば、うちのように洋風な作品もある。佃さんは個展毎に、ギャラリーに寄り添った作品を作ってくれるんですよ。いろいろなことに興味があるし、挑戦しますよね」と問いかけたところ、

佃さん曰く、「自分は(作家ではなくて)作品をつくる職人なんです」とのこと。

職人の作る物、すなわち「用の美」を体現する作品ですが、用の美は作品自体に主張がある難しい。その主張のなさは、飜れば懐の深さでもあるんですね。

木を愛し、そのストーリーを大事にしながら、職人として無心に制作する佃さんの個展。次回はどんな作品に出会えるか、また楽しみです。

 

カルチャー
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この記事を書いた人
瀬津 由紀子

1963年東京生まれ。家業である古美術商・瀬津雅陶堂を手伝う傍ら、フリーライターとして活動。講談社、世界文化社の婦人誌を中心にインタビュー、アート、旅行などの取材、ライティングを行う。
2000年より株式会社オフィス・アイシス代表取締役。「エイルナビ」編集長

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